非上場株式の評価の改正|平成29年から利益の要素を縮小
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相続や贈与で株式を取得したとき、上場株式であればその価値を算出しやすいのですが、取引相場のない株式となると、価値がどれだけあるのか決めるのに戸惑うことでしょう。
そこで、相続税や贈与税の算定に当たっては、様々な要素を反映させる評価方法が「財産評価基本通達」に定められ、これに従うことが求められます。
この評価方法を変更すると、去年12月には方向が示され、今年5月中旬に内容も確定しました。
平成29年1月1日以降に相続が発生して遺産に非上場株式がある場合や、平成29年1月以降に非上場株式の贈与を受ける場合、さっそく新しい評価方式が一律に適用され、それより前は従来の方法が使われます。
まず、原則的に「類似業種比準価額方式」と「純資産価額方式」の組合せで評価しますが、「類似業種比準価額方式」の計算が大きく変更されています。
この方式は、上場企業の業種別の毎月の株価「類似業種の株価」を基に、3つの要素における上場会社に対する評価会社の割合を反映させるなどして計算します。
この要素の比重が次のとおり変わります。
配当金額:利益金額:簿価純資産価額
1:3:1 → 1:1:1
また、「類似業種の株価」の採り方は、当月の株価だけでなく、前年平均などから最も低い額が認められています。そこに課税時期の属する月以前2年間平均も追加されました。
そのほか、上場会社の各要素に連結決算を反映することになりました。
こうしたことから、好業績の会社にとって株価が低くなり、内部留保の厚い会社は株価が高くなるものの、全体的に株価が抑えられる傾向が出ると考えられます。
一方、2つの方式の組合せですが、評価会社の規模によって採用する比重が異なります。
規模について、「従業員数」「直前期末以前1年間の取引金額」「簿価総資産価額」に従い、大会社・中会社(3分類)・小会社に区分します。そして、小さい会社ほど「純資産価額方式」の比重が高くなり、大会社は「類似業種比準価額方式」のみで評価できます。
以前は従業員数が100人以上の会社が必ず大会社になりましたが、改正後は従業員数が70人以上で大会社になります。
これ以外の規模の区分は、複雑な判定を要しますが、従来よりも基準の数値が下げられていることが多いです。(一部の基準は上がっています。)
こうしたことから、大会社や中会社に該当する会社が増える傾向になり、類似業種比準価額方式の比重が高まり、株価が低くなりやすいと考えます。
もっとも、個別の株式評価に当たっては、評価方法が複雑である上、株主構成や取得する人によっても評価が異なるため、専門家である税理士にきっちり相談することをお勧めします。
豊中に事務所があります岡本会計事務所では、非上場株式の評価を始め、相続税や贈与税の申告のお手伝いを積極的にさせていただきます。フリーダイヤルハロートヨナカ(0120-86-1047)、またはこちらのリンク先まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。