広大地評価の改正|来年から「地積規模の大きな宅地」に
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相続税や贈与税を申告するに当たり、土地の評価は国税庁が定めたルールに従いますが、面積が広い土地の多くは、通常より評価が低く評価することが認められています。
このことは専門家以外には詳しく知られていないでしょうが、来年から評価方法が大きく見直されます。
財産評価のルールは、国税庁が「財産評価基本通達」で定めていますが、この通達を改正することが先週に発表されました。
「広大地」に関する定めを全面的に廃止して、新たな規定を設け、名称まで「地積規模の大きな宅地」に変更しています。
実は通達改正に先立ち、国はパブリックコメントを募集するため、改正案が公表されており、そのことは数カ月前にも話題にしました。(その記事はこちら)
この手続きを経て正式な改正に至りましたが、市街地農地などが対象になると明記したこと以外、案からの変更はありませんでした。
「地積規模の大きな宅地」に該当するためには、次の2つの要件を満たさなければなりません。
○地積要件:豊中市のような三大都市圏は500㎡以上
○地区要件:評価通達の「普通住宅地区」または「普通商業・併用住宅地区」に所在
→ ただし、次に該当すれば対象外
・市街化調整区域で開発行為が不可能
・都市計画法の工業専用地域
・指定容積率が10分の40以上の地域
今年までの広大地では、要件の判断が難しかったのですが、基準が明確になっています。
計算方法については、まず従来の広大地を示します。
○評価額 = 正面路線価 ×「広大地補正率」× 地積
・広大地補正率 = 0.6 - 0.05 × 地積/1,000
一方、地積規模の大きな宅地は、土地取引の実態を踏まえて各土地の個性に応じて形状や面積に基づき評価する考えから、このように計算します。
○評価額 = 正面路線価 × 側方加算など × 奥行価格補正率 × 地積 × 不整形地補正率などの各種画地補正率 ×「規模格差補正率」
・規模格差補正率 =(地積×B+C)÷ 地積 × 0.8
三大都市圏の B と C
500~1,000㎡ 0.95 25
1,000~3,000㎡ 0.90 75
3,000~5,000㎡ 0.85 225
5,000㎡以上 0.80 475
この改正は、平成30年1月1日以後の相続や贈与により取得した土地に適用されます。今年12月までの相続などの場合は、従来どおりに取り扱われます。
相続の時期を動かすことはできませんが、生前贈与をいつにするかは契約当事者が決められます。
そこで、所有している土地で「広大地」の適用が可能で、「地積規模の大きな宅地」としての評価と比べてみたところ、広大地の評価の方が大幅に低いとわかったとしましょう。
そのとき、平成29年のうちに子や孫に贈与してしまい、贈与税の特例として相続時精算課税制度を使って、将来の相続税を節税することも考えられるかもしれません。
逆に、開発道路の負担がない土地やマンション適地は「広大地」の要件を満たさないのですが、「地積規模の大きな宅地」には該当する場合、生前贈与を来年まで待つ選択もあります。
豊中に事務所があります岡本会計事務所では、広い土地の評価はもちろん、相続税や贈与税の申告のお手伝いを積極的にさせていただきます。事前の相談も含め、フリーダイヤルハロートヨナカ(0120-86-1047)、またはこちらのリンク先まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。