空き家の相続に係る譲渡所得の特例|老人ホーム入居に注意
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平成28年度税制改正により、相続で取得した空き家やその敷地を今年4月以降に売却などした場合、譲渡に対する所得税と住民税を軽減する特例が創設されています。
軽減の内容は、譲渡所得の金額について3千万円を控除するものです。
この特例の適用を受けるには、いくつもの細かい要件を満たさないといけません。主なものを下に挙げてみます。
・昭和56年5月以前に建築された家屋やその敷地が対象
・亡くなった方が直前まで住んでいたこと
=相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた
・亡くなった方以外に居住する人がいなかったこと
・相続時から譲渡時まで、事業・貸付・居住の用に使わなかった
・次のどれかに該当すること
家屋を耐震改修する
家屋がもともと耐震基準を満たしている
家屋を取り壊して更地にする
・相続開始から3年を経過する日の年末までに譲渡
・譲渡価額は合計1億円以内
・マンションは適用不可能
新しい制度のため、規定の整備がされたのも最近なのですが、状況によっては特例の適用ができないとわかってきたため、注意すべき点を2つ紹介します。
まず、亡くなった方の居住に関して、老人ホームなどの介護施設に入所していたため、自宅がすでに空き家になっていて、相続が生じると、この特例は使えません。
居住というのを生活の本拠がどこにあるのか判断するためで、老人ホームに入所すると、生活の本拠が元の自宅から老人ホームへ移ってしまうことになります。
別の税金ですが、相続税の小規模宅地等の特例のうち、居住用宅地を対象にするものについては、税金を軽減する特例を使える可能性があります。自宅から老人ホームへ移った後でも、要介護認定などを受けていて、自宅を別の用途に使っていない限り、他の要件を満たせば特例の対象になるよう、規定整備がなされてきました。
そのため、現在のところ、2つの特例制度の間に違いが出ています。
それから、譲渡した時の対価の額が合計1億円以内でないと、特例が適用できないのですが、居住用だった家屋と一体として亡くなった方の居住の用に供されていた家屋と土地が合算の対象になります。
一体となる不動産を分割して売却した場合でも、それぞれの不動産の売却代金を合計して1億円を超えると、特例が使えません。
一部の不動産を売却して特例を使った後、年をまたいで残りを売った結果が合計1億円を超えると、前の所得税で特例が使えなくなるため、修正申告と税の差額を納付しなければなりません。
また、「譲渡」には、贈与や低額譲渡が含まれます。そして、このときの価額は、通常の取引価額(時価)が使われます。実際に受け取った金銭ではなく、計算上の時価の合計が1億円を超えると、特例が適用できません。
豊中に事務所があります岡本会計事務所では、相続に関する総合的な視点も踏まえ、所得税にも目を配った支援をいたします。
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