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相続コラム

相続税の調査で指摘は8割以上|預貯金が最も調査の対象に

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 国税庁が今月、平成27年7月から28年6月までに実施した相続税の実地調査の状況を発表しました。
 この期間では平成25年中に発生した相続を中心にして、申告額が少ないと想定されるものや、申告義務があるにもかかわらず無申告だと想定されるものなどに対して調査が実施されました。

 1年間の全国の実地調査は1万1,935件となり、前年よりも3.8%減少しています。
このうち9,761件で申告に漏れがあるなどと指摘されました。その割合は前年と同じく81.8%であり、高い水準になっています。
 また、申告漏れになってしまった遺産の金額は、調査1件当たり2,517万円であり、追徴を求められた税額は、調査1件当たり489万円にも上ります。

 同じ時期に実施された贈与税の調査については、1年間で3,612件(前年比8.5%減)となり、申告漏れなどが指摘された割合は、9割えています。

 なお、大阪国税局管内(大阪府を含む2府4県)の相続税に目を移すと、次のような結果が公表されています。
・実地調査件数:1,958件、前年比10.5%減
・申告漏れがあった件数:1,676件=85.6%
・申告漏れの遺産額:調査1件当たり2,668万円
・追徴される税額 :調査1件当たり 509万円

 再び全国の状況に話を戻しますが、調査により把握された申告漏れ財産の構成を見ます。
すると、現金・預貯金などが35.2%で最も多く、次に土地(13.9%)、有価証券(12.4%)が続いています。このことから、相続税の税務調査では、土地より現預金を把握することを重視していると予想されます。

 では、具体的にどのような内容が指摘されるのでしょうか?
よく重点的に調べると言われるのが、次に掲げるものです。

名義預金を申告していない
 親が子どもなどの家族の口座を借りて預金して、実際の管理は親がしていた「名義預金」は、子が存在を知らないこともありましょうが、相続財産として申告しなければいけません。
詳しくは、2年前の記事も参考にしてください。(→リンク先

・預貯金の残高死亡時のものではない
 生前の入院費や葬式費用を亡くなった人の口座から支払い、その後の残高を申告すると誤りになります。直前に引き出して手元に保管した現金にも注意する必要があります。

非課税枠を超える分の死亡保険金を申告していない
 死亡保険金がすべて非課税になるのではなく、非課税枠(5百万円×法定相続人の数)を超える部分は、相続税の計算の対象になります。

小規模宅地の特例が適用要件を満たしていない
 自宅敷地などの評価額を大きく減らせる特例制度がありますが、条件を満たしていないことが多いそうです。
 詳しい要件などを一言では説明できませんが、1つの例として以前の記事も参考にしてください。(→リンク先

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