相続税を節税する目的の養子縁組|最高裁判所が容認の判断
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約2カ月前になりますが、相続税と法的な有効性が関わる問題について最高裁判所が初めて判断したので、紹介いたします。
まず、養子縁組を実施することで自分の子が増えますので、相続税を節税する効果は、下で説明するように実際にあります。
もっとも現在は、亡くなった方に実の子がいれば1人まで、実子がいなければ2人までしか、相続税の軽減を受けることはできません。
(配偶者の連れ子を養子にした場合などは、この制限はありません。)
そこで、ご高齢の方が自分の孫と養子縁組をしたのですが、専ら節税目的でされた養子縁組において、はたして親子関係をつくる意思があったかどうか、こうした縁組が有効なのかが問題となりました。
初め地方裁判所は有効と判断しましたが、高等裁判所が無効と判断したため、最高裁判所の出番となりました。
相続税の節税の動機と縁組をする意思とは、併存し得るものである。そのため、専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても、「当事者間に縁組をする意思がないとき」に直ちに当たるとすることはできない。
と最高裁が判断したため、この養子縁組は有効と認められました。
この裁判では養子縁組そのものの有効性が問題となりましたが、相続税法には「養子を法定相続人の数に含めることで税負担を不当に減少させると認められる場合には、その養子の数を含めずに計算する」規定があるため、節税効果だけを否定される可能性もなくはありません。
また、養子縁組をしたことで、残された相続人の間で争いが起こって、かえって相続税の特例措置が使えなくなり、税負担が増える場合もあります。
今回の裁判も、長男の子(=孫)を養子にしたところ、長女が無効を主張したもので、兄弟姉妹間の不公平感が招いたのかもしれません。
最後に養子縁組が相続税に与える影響を簡単に説明します。
・遺産に係る基礎控除額:600万円増加
・生命保険金の非課税限度額:500万円増加
・死亡退職金の非課税限度額:500万円増加
・相続税の総額の計算:累進課税とあいまって減税あり
豊中に事務所があります岡本会計事務所では、相続税の申告のお手伝いを積極的にさせていただきます。将来の相続税に関わる相談や試算にも対応いたします。フリーダイヤルハロートヨナカ(0120-86-1047)、またはこちらのリンク先まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。